【クリエイター向け】AdobeFIrefly-著作権クリーンな学習データに基づく画像生成AI

Adobeが画像生成AI「Firefly」を発表し、画像生成AIに新たな波が来ております。このFireflyはほかの画像生成AIとは異なり、著作者から学習の同意を得ている学習データを学習させている点でクリエイターの権利保護を意識した内容になっています。

(上図はAdobe Fireflyにて生成した画像)

1.従来の画像生成AIの問題点

従来の画像生成AIは、膨大な数の画像データを学習して新たな画像を生成する技術ですが、その学習データの著作権管理に課題がありました。AIが学習するための画像データは、インターネット上から無作為に収集されることが多く、その過程で著作権者の許諾を得ていない作品が使用される場合がありました。これは著作権法に抵触する可能性があり、法的な問題を引き起こすリスクがありました。さらに、これらのAIは許可されたデータと許可されていないデータを区別する機能を持っていないため、その管理は難しかったのです。

2.Adobe Fireflyの登場

Adobeは、これらの問題を解決するために、「Adobe Firefly」という新たな画像生成AIを開発しました。Fireflyは、Adobeが所有する広範で豊富な著作権クリアな素材を学習データとして利用します。これにより、著作権問題を回避しながら、高品質な画像生成が可能になりました。また、AdobeはこのFireflyによって、クリエイターやデザイナーが自分たちのアイデアを自由に表現できる新たなツールを提供しています。

3.Adobe Fireflyでできること

Adobe Fireflyは、自然な画像を生成するためのAIですが、その機能は単なる画像生成以上に広がります。まず、ユーザーは自分の意図を表現するためのスケッチや短い説明を入力することで、Fireflyがそれに応じた画像を生成します。これにより、クリエイターは具体的な画像を持っていなくても、自分の想像を形にすることができます。

また、Fireflyは異なる視点からの画像生成も可能です。例えば、同じ物体でも、異なる角度や光の当たり方で描画することができます。さらに、複数の異なる要素を組み合わせて一つの画像を生成することも可能で、これによりより複雑で詳細な画像生成が行えます。

また、Adobe FireflyはAdobe Creative Cloudとも連携しています。生成した画像は直接PhotoshopやIllustratorなどのソフトウェアに取り込むことができ、さらなる編集や加工が可能です。このような機能により、Adobe Fireflyは画像生成だけでなく、クリエイティブな作業全体をサポートする強力なツールとなっています。

4.Adobe Fireflyは日本の著作権法やクリエイターとの関係でどういうインパクトを持ったか

Adobe Fireflyの登場は、日本の著作権法やクリエイターとの関係に大きなインパクトをもたらしています。先述のように、従来のAIは許諾を得ていない作品が学習データに含まれる可能性がありましたが、Fireflyは著作権クリアな素材のみを学習データとして使用します。これにより、クリエイターの著作物が無許可で利用されるリスクが低減されました。

また、Fireflyはクリエイターの創作活動を大きく支援するツールとして機能しています。具体的な画像を持たない抽象的なアイデアも具体的なビジュアルに変換可能であり、これによりクリエイターの表現の幅が広がりました。更に、生成した画像はクリエイター自身の著作物となるため、新たな著作権を生む可能性もあります。

5.Adobe Fireflyを利用するに際して法律面で注意すべきこと

Adobe Fireflyの利用にあたり、その法律的な側面に対する理解と遵守が重要となります。まず第一に、生成された画像の著作権について説明します。近年、AIによって生成された作品の著作権については、法的な解釈がまだ確定していないという現状があります。具体的には、AIが生成した作品が法的に認められる「創作性」を有しているかどうか、そしてその「著作権」が誰に帰属するのかが問題となっています。

それゆえ、Fireflyによって生成された画像を商用利用する場合、Adobeとの利用規約を厳密に確認し、必要な許諾を得ることが重要となります。これにより、将来的な法的トラブルを避けることが可能になります。

次に、Fireflyを使用して他の著作物を模倣する行為について注意が必要です。例えば、他の作品を明確に模倣した画像をFireflyで生成し、それが元の作品の著作権を侵害する可能性がある場合、法的な問題を引き起こす可能性があります。こうした状況を防ぐためには、他者の著作物を不適切に模倣することなく、独自の創造性を保つことが求められます。

最後に、Fireflyを使用する際には、自身が制作する作品が他者の著作権、商標権、肖像権等を侵害しないか等、広範な法的視点から自己判断を行う必要があります。こうした視点を持つことで、Fireflyの恩恵を最大限に享受しつつ、法的リスクを最小限に抑えることができます。

6.AIツールの利用についてご不安な点があったら前田拓郎法律事務所にご相談を

AIツールの利用は、その急速な技術的進歩とともに著作権法などの法律面で新たな問題を引き起こす可能性が高まっています。そのため、AIツールを利用する際には適切な法律知識が求められます。それらを持たないと、あなたが製作した作品が法律的な問題を引き起こし、損害賠償や訴訟といったリスクに直面する可能性があります。

そこで前田拓郎法律事務所では、AIやIT技術に関わる複雑な法的問題に対応しています。AIツールの利用にあたっての法的リスクの把握、利用規約の確認や契約書の作成、著作権侵害の予防策など、様々な法律サービスを提供しています。何かお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

私たちは、AIツールの適切な利用をサポートし、クリエイティブな活動を保護するためのサポートを提供します。私たちは技術と法律の交差点に立つパートナーとして、あなたの創造性を最大限に発揮できるような環境を作り出すお手伝いをします。AIツールの利用についての法的な不安や疑問がある方は、どんな小さなことでも前田拓郎法律事務所にお問い合わせください。

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